iDeCoで純金ファンド(三菱UFJ純金ファンド、いわゆるファインゴールド)を持っていた。最近の金価格の上昇でけっこうな利益が出ていたのだけど、あらためて考えてみたら、自分は金という資産の仕組みをよく分かっていなかった。
金には配当がない
株式は企業が利益を生むから長期的に価値が上がる、という理屈がある。金にはそれがない。配当も利息も生まない。値上がりの理由は純粋に需要と供給だ。
- 採掘量が限られていて、紙幣のように刷って増やせない
- インフレや通貨不安のときに「価値が消えない実物資産」として買われる
- 近年は各国の中央銀行が外貨準備として大量に買っている
- 円建てで見ると円安の分だけさらに上がる
つまり金は「保険」としては優秀だけど、複利で成長するエンジンは持っていない。実際、1980年から2000年までの20年間、金価格はほぼ横ばいだった。25年後の受け取りを目指すiDeCoの主役にするには、ちょっと心もとない。
スイッチングという仕組み
iDeCoは60歳まで引き出せない代わりに、口座の中で商品を入れ替える「スイッチング」が何度でもできる。しかも売却益に税金がかからない。金が上がったところで利益を確定して株式に移す、ということが非課税でできてしまう。これは知らなかった。
というわけで、金の利益を確定して、先進国株式インデックスファンドに全部スイッチングした。オルカン(全世界株式)が自分のiDeCoのラインナップになかったのだけど、オルカンの中身は8割以上が日本を除く先進国株なので、先進国株式インデックス1本でほぼ同じ値動きになる。
受け取りまであと25年。過去のデータでは、世界株式を25年持ってマイナスで終わった例はほぼない。金がここからさらに上がる可能性はもちろんあるけれど、複利のエンジン がある資産に長期で乗せておく、という判断にした。
ついでに:バランスファンドが上がらなかった理由
実はもうひとつ反省があって、SBIグローバル・バランス・ファンドも持っていた。S&P500やオルカンが40%上がった期間に、こちらは10%強しか上がらなかった。
不良品かと思ったが、そうではなくて設計通りだった。このファンドは中身の6割くらいが債券で、株の急騰にはそもそもついていけない。おまけにここ数年は世界的な利上げで債券価格自体も下がっていたので、クッションのはずの債券が足を引っ張るという、バランス型に一番不利な環境だった。
バランス型が輝くのは暴落のときだ。株が40%下がる局面なら、たぶん半分程度の下落で済む。「上がらない」のは「下がりにくい」の裏返しで、25年間その安定に対価を払うかどうかという話。自分は払わないことにした。
これからの覚悟
先進国株式に寄せた以上、25年の間に資産が数ヶ月で2〜3割減る画面を見る日はほぼ確実に来る。そこで狼狽してまたスイッチングするのが一番成績を悪くするパターンらしい。暴落のときにこの記事を読み返して、今日の判断理由を思い出せるように書いておく。
なお、iDeCoという制度自体の使い方は iDeCo×NISAの税金ハック に書いたので、そちらもどうぞ。
※投資判断は自己責任で。この記事は個人の記録です。