「iDeCoに老後資金をロックされて、50代で仕事がなくなってホームレスになったら意味がない」

これは、私が資産形成をする上で最も重要視している考え方です。

世の中のマネー情報では「老後不安に備えて、iDeCoは限度額いっぱいまでやりましょう」といったアドバイスをよく見かけます。しかし、未来の自分を豊かにするために、今の自分が路頭に迷っては元も子もありません。

会社員である以上、もし将来会社が倒産したり、自分が病気で倒れたりと、いつ収入が途絶えるか分かりません。だからこそ、「いつでも引き出せるNISAの安心感」と「iDeCoによる今の税金ハック」を組み合わせた二刀流を実践しています。

1. 資金ロックの弱点は「NISA(流動性)」で完全に消す

iDeCo最大のデメリットは「原則60歳まで引き出せない」という強烈な資金拘束(ロック)です。

この弱点を消すための大前提として、私は万が一の時のための現金と、いつでも引き出せる「NISA(投資信託)」をベースの防衛線として構築しています。

仮に明日無収入になったとしても、当面の生活費をNISAの取り崩しでカバーできる「強固な安全網(セーフティネット)」がある。だからこそ、iDeCoの60歳ロックというデメリットを完全に無視できるのです。

2. iDeCoの目的は「老後」ではなく「今の税金ハック」

私にとってiDeCoは、老後資金づくり……ではありません。目的はただ一つ、「今の高い所得税・住民税をガッツリ減らすこと」です。

現在私は毎月23,000円(年間27.6万円)をiDeCoに拠出していますが、これだけでも一般的な会社員の収入帯なら、年間およそ5万円〜8万円ほどの税金が浮く計算になります。

貧乏な時(税率が低い時)にiDeCoをやっても大して意味はありません。お金があって、税金をたくさん払っている「今」だからこそ、やる意味があるのです。

3. 来年から月62,000円のフルブッパへ。その驚異の破壊力

そして、来年からは制度変更(または自身の環境変化)により、私のiDeCoの拠出上限が月額62,000円に上がります。もちろん、全額フルブッパする予定です。

  • 毎月の拠出額: 62,000円(年間74万4,000円)

これを全額「所得控除」に叩き込むとどうなるか。仮に所得税と住民税の合計税率が30%だとしたら、毎年22万円以上の税金が手元に戻ってくる計算になります。

毎年最新のiPhone Proを国のお金で買えるレベルのインパクトです。これをやらない手はありません。

iDeCo 月額62,000円拠出時の年間節税額(税率別)
010万20万30万14.9万円税率20%22.3万円税率30%24.6万円税率33%年間拠出額744,000円(月62,000円)に対する節税額の試算

4. 収入が減ったら? 50代でリタイアしたら?

私の戦略はとてもシンプルです。

  • 収入が高い今: 余剰資金をNISAとiDeCoに振り分け、iDeCoの節税メリットを限界まで貪り食う。
  • 収入が減ったら or 早期リタイアしたら: 収入が減った瞬間に、iDeCoの掛金をストップ(0円)にする。

iDeCoは「お金を引き出す」ことは60歳までできませんが、「掛金を払うのをやめる」ことはいつでも可能です。

節税メリットがなくなった(払う税金が減った)段階でサクッと支払いを止め、あとは60歳まで放置して非課税で運用だけを続ければいい。それだけの話です。

まとめ:自分サイズのリアルな生存戦略を

「遺族のために多額の資産を遺す」といった立派な目標はありません。自分と、いまいる子どもを育てる分だけあれば十分です。

多すぎる遺産は人をダメにすると思っていますし、最悪85歳まで生き延びられるだけの算段がつけば、それはそれでOK。

  • メインの命綱: いつでも引き出せる「NISA」
  • 税金ハックツール: 稼いでいる時だけフル活用する「iDeCo」

未来が読めない時代だからこそ、無駄な税金は徹底的に削りつつ、いつでも逃げられる身軽さを保つ。これが、55歳でホームレスにならないための私のリアルな生存戦略です。