Google Pixel 10 Proを振ると、カメラのあたりからカシャカシャと音がする。
気づいたのは最近だが、一度気になると止まらない。妻のPixelでは同じことをしても鳴らない。落としたことも濡らしたこともない。となると、自分の個体だけがおかしいということになる。
結論から書くと、故障ではなかった。ついでに言うと、妻の端末はPixel 10 Proではなく無印のPixel 10だったので、比較対象としてそもそも間違っていた。
ただ、この件で松戸まで出かけたおかげで、思いがけず良い一日になった。その話も含めて書いておく。
症状は3つあった
サポートに連絡するにあたって、気になっていることを全部洗い出した。「不具合は漏れなく報告してください、後から追加されると対応が変わります」と言われたためだ。
- 本体を横に振ると、カメラ付近からカシャカシャ音がする。縦に振ると鳴らない。電源のオンオフに関係なく常に鳴る
- 画面のタッチが反応しないことがある。2週間ほど前から、3日に1度くらい、画面全体で発生
- 突然「バツン」という大きな音が鳴る。半年ほど前から、週に1回程度
1だけのつもりで書き始めたが、並べてみると意外と多い。2と3は別々の問題だと思っていたので、これまで報告していなかった。
Googleの回答は「iCrackedに自分で予約してくれ」
郵送修理という選択肢もあったが、端末を送ってから交換品が届く方式らしい。手元にスマホがない期間ができるうえ、データの扱いも不安が残る。
ちょうど妻と息子が2週間の入院に入るタイミングだったので、連絡手段が途切れるのは避けたかった。店舗持ち込み一択だ。
秋葉原ではなく松戸を選んだ
自宅は葛飾区の新小岩。iCrackedの最寄りは秋葉原店になる。
ただ、電車が嫌いだ。人が多いのも嫌いだ。駅まで歩いて、電車に乗って、また歩く。それだけで消耗する。
車で行けるならそのほうがいい。多少遠くてもドライブになる。
そう考えて店舗一覧を眺めた。東京・千葉・埼玉で20店舗以上ある。市原のアリオは駐車場1500台で無料という好条件だったが、片道50km・1時間超。さすがに遠い。
最終的に選んだのが プラーレ松戸店 だった。新小岩から約9km、車で30分弱。駅前だが徒歩2分に196台の自走式立体駐車場があり、施設の提携駐車場にもなっている。
電話で確認したところ「即日で終わります」との回答。パーツが足りない場合は後日再訪になるが、預かりにはならないとのことだった。この一点が決め手になった。
診断結果は「個体差」
8月15日10時に予約を取り、当日、3階のiCrackedへ。
結論は、故障ではない。そもそも直すべき箇所が特定できない。端末は正常に動作してしまっている。分解も開封もされなかった。症状を伝えて、その場での確認だけで終わった。
スタッフの説明によると、本部にはこの問い合わせが頻繁に来ているらしい。Pixel 10 Proではよくある症状で、個体差ということで案内しているとのこと。これ以上のことはiCrackedでは判断できないので、Googleに問い合わせれば検査してもらえるかもしれない、と。
正直なところ、その場では納得しきれなかった。「よくあること」で片付けられている可能性も疑った。
なので帰ってから自分で調べた。
調べたら、3つとも答えが出た
カシャカシャ音は仕様
Googleの公式サポートページに明記されていた。Pixelは大型のカメラを積んでいて、素早くピントを合わせるための追加部品が入っている。そのため本体を振るとカメラからかすかな音が聞こえることがあり、これは想定された挙動である、と。
原因は OIS(光学手ぶれ補正) だ。レンズユニットが軸に吊られて浮いている構造なので、振れば内部に当たって音が出る。むしろOISが壊れているときこそ音がしなくなる、という指摘もあった。
GalaxyでもXperiaでも同じ説明がされている。価格.comのPixel 10 Pro XLの掲示板にも同じ質問が上がっていて、回答は「正常」だった。
iCrackedの説明は正しかった。
妻の端末で鳴らなかった件も、Pixel 10とPixel 10 Proではカメラの構成が違うので当然だった。Proは望遠を含む3眼で、可動部の質量が違う。比較対象を間違えていた。
なお、面白がって振りすぎるとカメラ機構が壊れる可能性は否定できないらしいので、確認はほどほどにしたほうがいい。
タッチ不良はソフトウェアのバグで、修正済みだった
これが一番の収穫だった。
Android 17の安定版を適用した後、タップに反応しない、スワイプの方向が反転する、1回のスワイプが複数回入力される、といった不具合がPixel 6aから10シリーズまで幅広く報告されていた。
そして2026年8月の月例アップデートで、「特定の条件下でタッチパネルが反応しなくなる問題」が修正されている。対象はPixel 10 / 10 Pro / 10 Pro XL / 10 Pro Fold / 10a。配信開始は8月4日だ。
症状が出始めた時期とも合う。ハードウェアではなかった。
バツン音は既知の不具合。ただし未解決
こちらも自分だけの話ではなかった。
Pixel 10シリーズを中心に、9、8、7でも報告が挙がっている。2025年後半のAndroid 16 QPR2ベータ段階から追跡されていて、通知音のような短い効果音が再生中の音声ストリームに割り込むときに、オーディオ処理側が不具合を起こしているのではないかと推測されている。
半年前からという自分の体感とも重なる。
決定的なのは、保証期間内にスピーカーを交換してもらったのに症状が消えなかったというユーザーの報告だ。ハードウェアの問題ではないことを示している。
Googleはこの不具合を公式には認めていない。暫定的な回避策として、「アダプティブ サウンド」をオフにすると軽減したという報告がある。
修理に出さなくてよかった
3つとも、端末が壊れているわけではなかった。1つ目は仕様、2つ目はアップデートで解決、3つ目はGoogle待ち。
もし郵送修理に出していたら、端末を交換したうえで2と3は再発していたはずだ。
店舗では分解もしていないので、厳密な意味でハードウェアの検査を受けたわけではない。ただ、「本部にも同じ問い合わせが多数来ている」という情報が得られたことで、自分の個体だけの問題ではないという方向に調べを進められた。結果としてこれが正解だった。
そして、プラーレ松戸が良かった
ここからが本題かもしれない。
修理は空振りだったが、この建物に来られたことが今回いちばんの収穫だった。
プラーレ松戸は、イトーヨーカドーをキーテナントとする駅前の商業施設だ。開業は1980年代。フロアガイドを事前に眺めていたときは、正直あまり期待していなかった。飲食店は4店しかないし、時計修理、洋服直し、靴修理、保険相談、眼科、歯科と、用事を片付けに行く施設という印象だった。
実際に行ってみたら、まったく違った。
坂の上に建っているため、5階から外に出られて、そこに公園がある。屋上にもなぜか店がある。内部は入り組んでいて、ちょっとした迷路だった。ジブリの建物を歩いているような感覚がある。
昭和の空気がそのまま残っていて、レトロというかノスタルジックというか、とにかく面白い。
そして、人が少ない。
これが大きい。カメイドクロックや近所のアリオだと、休日のフードコートは席がまったく空かない。座る場所を探すだけで疲れる。プラーレは飲食店が少ないぶん、そもそも埋まらない。ゆっくりできる。
子どもが遊べるスペースもガラガラで、息子は大はしゃぎだった。6階には一時預かりをしてくれる児童館のような施設もあって、いろいろなおもちゃで遊べたようだ。かなり楽しめたと思う。
駐車場のこと
停めたのはユアサ24H駐車場。入庫時に券を受け取り、出庫前に精算する方式で、事前精算機もあるので支払いはしやすい。
料金は20分100円。プラーレで2500円ほど食事をしたら1時間無料になり、最終的に500円で済んだ。駅前の立体駐車場としては相当安い。
ここには洗車場が併設されていて、なんというか、めちゃくちゃだった。調べたら元々は自動車関連の会社が運営しているらしい。ただのコインパーキングではなかった。
唯一の難点は、施設まで徒歩3分ほど歩くこと。この時期は普通に汗をかいた。雨の日は少し厄介かもしれない。とはいえ、秋葉原まで電車で行っていたらもっと汗をかいていたはずだ。
日帰り旅行のような一日だった
車で30分。修理そのものは何も解決しなかったが、日帰り旅行をした気分になった。
秋葉原を選ばなくて本当によかったと思う。
同じPixel 10 Proでカシャカシャ音が気になっている人は、まず落ち着いてほしい。それは仕様だ。もしタッチの不調も一緒に出ているなら、8月のアップデートを当ててみるといい。
そのうえで、松戸に行ってみるのは悪くない。