「鬼滅の刃の映画、ネットで見られるのかな」と軽い気持ちで調べたら、思っていたのと逆の答えが返ってきた。海外では見られるのに、日本では見られない。しかもジブリは何年も前からそうだったらしい。腑に落ちなかったので、調べたことをまとめておく。
鬼滅の刃「無限城編 第一章」の現状(2026年9月時点)
- 日本国内:Netflix・Prime Video・U-NEXT いずれも配信なし。公式サイトの配信情報にも載っていない
- 国内で見る手段:7月29日発売のBlu-ray/DVDか、ディスクのレンタルのみ
- 海外:7月28日から Crunchyroll が日本と中国本土を除く全世界で配信。Netflix も日本・中国本土・インドを除くアジア各国で配信中
つまり韓国や台湾の人はNetflixを開けば見られるが、日本人は円盤を買うしかない。
ジブリはもっと徹底している
ジブリ作品は国内の主要サブスクにひとつも入っていない。Netflix・Amazon・Hulu・U-NEXT・ディズニープラス、全部なし。唯一の例外が『火垂るの墓』で、2026年7月からNetflixで国内配信されているだけ。
一方で海外では、Netflixが日本を除く190以上の国と地域でジブリ作品をほぼ全作配信している(アメリカとカナダはNetflixではなくHBO Max)。フランスでもブラジルでも、Netflixを開けばトトロも千と千尋も見られる。空白地帯は日本だけ。
なぜこうなるのか
公式に説明されているわけではないが、調べた範囲では理由はだいたい共通している。
日本は一番お金を落とす市場だから後回しにされる。鬼滅は国内興収400億円超で、円盤も出たばかり。劇場→円盤→地上波→配信と段階を踏んで回収するのが日本の興行の基本で、配信を早く出すと円盤の売上を食ってしまう。前作『無限列車編』も地上波初放送が公開から約11ヶ月後で、配信はそのあとだった。第二章の公開前に地上波で第一章を流して盛り上げる、という宣伝の意味もある。
ジブリの場合は「日本ではやり方を変えない」という方針そのもの。海外Netflix解禁のとき、鈴木敏夫プロデューサーは「海外は新しい観客に届けるため、日本は今のやり方を守る」という趣旨の発言をしている。ジブリは金曜ロードショーで何十年も放送されるたびに高視聴率を取る資産で、2023年に日テレの子会社になってからはその構図が一層強まった。DVDもいまだにロングセラー。配信に出す理由が、会社側にはない。
鬼滅は「時間差で稼ぐ」、ジブリは「配信という形自体を日本では採らない」。理屈は分かるが、視聴者側からすると「日本人が作ったものを日本人だけが見られない」という結果は同じ。
じゃあどうするか
正直に言うと、鬼滅1本を見たいだけなら Blu-ray かレンタルが一番早くて安い。
VPNで海外Netflixに接続して見る、という手段は存在する。Netflixのアカウントは世界共通で、表示される作品は接続元の国で決まるので、日本のアカウントのまま海外サーバーにつなげばその国のラインナップになる。鬼滅ならアジア圏(韓国・台湾・シンガポールなど)、ジブリならほぼどこでも。
ただし注意点がある。
- Netflixの規約上、居住国以外のコンテンツを見る目的のVPN利用は禁止されている。アカウント停止まで行った例はほとんど聞かないが、グレーであることは変わらない
- NetflixはVPN検知を強化していて、今日つながるサーバーが来月ブロックされることは普通にある
- 無料VPNはやめたほうがいい。遅いうえに、通信内容を収益化しているところが多い
有料VPNは月額1,000円前後。鬼滅1本のためなら割に合わないが、ジブリも含めて「海外でしか配信されていない日本の作品」をまとめて見たいなら、元は取れる金額ではある。
まとめ
- 鬼滅の刃「無限城編 第一章」は日本ではまだ配信なし、海外では7月末から配信中
- ジブリは何年も前から同じ状況で、国内サブスクは『火垂るの墓』を除いてゼロ
- 理由は「日本が一番稼げる市場だから」と「テレビと円盤を守る方針」
- 見るなら円盤かレンタル。VPNは手段としてはあるが、規約上グレーで自己責任
いつか普通に日本のNetflixで見られる日が来るのかもしれないが、少なくともジブリに関しては当分なさそうだ。