毎年、庭の雑草を抜いたり除草剤をかけたりしている。それなのに毎年生えてくる。

土から無限に栄養が湧いてくるのか、それとも雑草はほとんど栄養を使わずに生きているのか。ずっと不思議だったので、調べたり考えたりして私なりに整理した。

土の栄養は関係なかった

結論から言うと、雑草は永久機関ではないし、土の栄養も無限ではない。ただ、雑草が必要とするものの大半が、土の外から供給されているだけだった。

植物の体はほとんどが水と二酸化炭素と光でできている。土から吸う養分はごく少量で、しかもその少量も、雨や落ち葉、抜いた雑草の根や枯れ葉が分解されて土に戻る。庭くらいの規模では枯渇しない。

では毎年生える本当の理由は何かというと、種と根だった。

  • 土の中には過去数年から数十年分の休眠した種が眠っている。抜いたり耕したりして土の表面が光に当たるたびに、一部が目を覚ます
  • 風や鳥で毎年新しい種が外から運ばれてくる
  • スギナやドクダミのような多年草は、地上部を抜いても地下茎から再生する

ラウンドアップのような茎葉処理型の除草剤は、生えている草を枯らすだけで、埋まっている種や来年飛んでくる分には効かない。だから毎年やる作業になる。

抜くのは実は一番効かない

ここで少しショックだったのが、「抜く」という作業の評価の低さだった。

抜くと土がかき回されて、埋まっていた種が光を浴びて発芽する。つまり抜けば抜くほど、次の草を起こしている。手間がかかる割に効果は低く、むしろ雑草を増やす面すらある。

さらに私は「除草剤を撒いてから抜く」をやっていたが、これは除草剤のほうが無駄になっていた。茎葉処理型は葉から吸収されて根まで届くのに1〜2週間かかる。撒いてすぐ抜くと、薬が根に届く前に抜いていることになる。撒くなら枯れるまで放置して、抜くなら撒かない。どちらかで良かった。

灯油や塩を撒いたら終わるのか

「土をダメにすれば生えないのでは」という発想も一度は通った。

灯油やガソリンは、こぼれた直後は草が枯れるが、揮発する成分は数週間で飛び、残りも土の微生物が分解する。1〜2年で普通に草が生える土に戻る。しかも法律に触れるし、隣家の植木や井戸に影響が出る。

塩はもっと極端で、効きすぎる。日本は雨が多いので撒いた塩は数年で流れてしまい、維持するには毎年何十kgも撒き続けることになる。その塩が流れた先で隣の庭木を枯らし、自宅側では基礎のコンクリートに浸み込んで鉄筋を錆びさせる。雑草を消す代わりに家の寿命を縮める取引になる。

草に効くものは、土の中の他のものにも効く。だからダメにする範囲を制御できない。結局、土そのものは壊さずに「光を断つ」か「発芽段階で止める」かのどちらかに落ち着く。

うちの庭の場合

一般論はここまでで、うちの庭は少し事情が違った。砂利敷きで、その下に防草シートも敷いてある。それでも生えてくる。

原因はほぼ確定していて、シートの上で発芽している。砂利の隙間に長年溜まった砂埃や落ち葉が分解されて薄い土になり、そこに飛んできた種が落ちて育っている。シートは仕事をしていて、防いでいるのは「下からの草」だけだった。

この場合、土の中の種の貯金も地下茎も関係ない。根はシートの上の数cmにしか張れないので、抜いても下の土には影響しない。つまりさっきの「抜くと種を起こす」という話は、うちの砂利には当てはまらなかった。

シートの上の土を全部取り除くのは無理だったので、現実的な選択肢は三つ。

  1. 土壌処理型の粒剤を春先と秋口に撒く。シートの上の薄い層に薬が留まるので、少量で長く効く。この構成に限っては一番安く済む
  2. 砂利を一度どけて、溜まった土ごとシートの上を掃除して戻す。全面は無理でも毎年1〜2㎡ずつやれば数年で一巡する。費用はゼロで手間だけ
  3. 生えたものを見つけ次第抜く。根が浅いので楽で、抜くことの害もない

飛んでくる種を止める方法はないので、生える量を減らすより、生えたものをこまめに取る方向のほうが割に合う場所だった。

まとめ

  • 雑草は土の栄養で生えているのではなく、種と根で戻ってくる
  • 抜くのは効きにくく、除草剤を撒いてから抜くのは除草剤が無駄
  • 灯油や塩で土を殺す発想は、効かないか効きすぎるかのどちらか
  • 砂利+防草シートで生えるなら、原因はシートの上に溜まった土

毎年同じことを繰り返していた理由が分かっただけでも、だいぶ気が楽になった。