うちの妻は、スーパーに入るとすぐにどこかへ行ってしまう。
私が牛乳の棚の前で成分表示を眺めている間に、気づけば姿が消えている。お菓子コーナーか、鮮魚か、それとも駐車場か。見つからないので電話をかける。「今どこ?」「お豆腐のとこ」。合流して、また3分後にはぐれる。また電話。この繰り返しである。
そのたびに通話料がかかるのも地味に嫌だった。1回1回は大した金額ではないが、「はぐれるたびに課金される」という構造そのものが納得いかない。
トランシーバーを検討した
最初に考えたのは、耳に掛けるタイプのトランシーバーだった。
調べてみると、免許不要で使える「特定小電力トランシーバー」というジャンルがあり、通話料はゼロ。2台セットで1万円前後から買える。本体をポケットに入れて耳掛けイヤホンマイクをつなげば、ほぼ理想の形になる。VOX機能付きの機種なら、ボタンを押さずに話しかけるだけで声が届く。
ただ、冷静になると引っかかる点もあった。
- 夫婦の買い物のためだけに、新しいガジェットを2台買って充電を管理するのか
- 買い物のたびに「持った?電池ある?」の確認が発生する
- 店内で無線機を装着した夫婦、絵面がやや業務的
悪くはないのだが、「スーパーではぐれる」という問題の規模に対して、装備がちょっと大げさな気がしてきた。
気づいてしまった
そこで、ふと気づいた。
入店時にLINE通話をつないで、あとは各自手持ちのイヤホンを着けておけばいいのでは。
- LINE通話はデータ通信なので通話料はかからない
- イヤホンは各自すでに持っている(妻はAirPods、私はBoseのイヤホン)
- つなぎっぱなしにしておけば、はぐれた瞬間に「今どこ?」と声をかけるだけ
追加投資ゼロ。新しい機器もアプリも不要。買い物カゴを持ったまま、ハンズフリーで会話できる。
要するに、トランシーバーが欲しかったのではなく、「かけ直しの手間と通話料なしで、いつでも声が届く状態」が欲しかったのだ。それは手持ちの道具ですでに実現できた。
運用してみてのコツ
実際にやってみると、いくつか小さなコツがある。
- 入店前に通話を開始する。はぐれてからかけるのでは今までと同じ。駐車場を出た時点でつなぐのが正解
- 片耳だけ着ける。両耳を塞ぐと店内アナウンスやレジのやり取りに支障が出る。片耳なら安全面でも気が楽
- 無言の時間を気にしない。トランシーバーと同じで、常時会話する必要はない。必要な時だけ声を出せばいい
副産物として、「これ安いけど買う?」「今夜それ使う?」のような細かい相談がその場でできるようになった。合流のためだけでなく、買い物そのものの分担が速くなる。
まとめ
- 問題:スーパーで配偶者とすぐはぐれる。毎回電話するのが面倒で、通話料もかかる
- 検討:特定小電力トランシーバー(通話料ゼロ・免許不要だが、機材の追加購入と管理が必要)
- 結論:入店時にLINE通話をつなぎ、各自の手持ちイヤホンを装着する。追加費用ゼロ
何かを買う前に、手持ちの道具の組み合わせで解決できないか一度考えてみる。今回はそれがきれいにはまった例だった。