子ども用にAmazonのFireタブレット キッズモデルを買った。頑丈なカバーが付いていて、Amazon Kids+も1年分付いてきて、セールなら値段も手頃。子ども用タブレットとしては鉄板の選択肢……のはずだったが、我が家の主目的だった「しまじろうクラブアプリ」が動かなかった。この記事は、それでもなんとか動かそうとして、最終的に諦めるまでの記録である。同じ目的でキッズモデルの購入を検討している人は、買う前に読んでほしい。
結論から
- しまじろうクラブアプリはFireタブレットでは公式に動かない(配信されていない)
- 非公式にGoogle Playを入れる方法はあるが、手間とリスクの割に成功が保証されない
- こどもちゃれんじ目的なら、最初から1〜2万円のGoogle Play対応Androidタブレットを買うほうが確実
そもそも公式に非対応だった
買ってから知ったのだが、ベネッセのFAQに「しまじろうクラブアプリはAmazonのアプリストアでは配信していません。Fire OSでのご利用は動作を保証していません」と明記されている。FireタブレットはAndroidベースだがGoogle Playが載っておらず、Amazonアプリストアにないアプリはそもそもインストールできない。推奨環境はiOS搭載端末か、Android 8.0以上のGoogle Play対応端末だ。
つまり「子ども用タブレット」として売られている端末で、日本の子ども向けアプリの代表格が動かない。この時点で嫌な予感はしていた。
非公式ルート: Google Playのサイドロード
Fireタブレットには、Google Play関連のAPKファイルを4つ(Googleアカウントマネージャー、Googleサービスフレームワーク、Google Play開発者サービス、Google Playストア)手動でインストールしてPlayストアを使えるようにする、有名な非公式手順がある。解説サイトも複数あり、手順自体はSilkブラウザだけで完結する。
やってみた範囲でのポイントだけ書いておく。
- Fire OSのバージョンによって必要なAPKが違う。特にFire OS 8搭載機は「8.3.1.3」以降にアップデートしてからでないとPlayストア自体が動かない
- 作業は大人用プロフィールで行う。「不明ソースからのアプリ」でSilkブラウザを許可してからAPKをダウンロードする
- インストール順を守り、終わったら再起動する
ここまでは解説通りに進んだ。問題はその先だった。
二段階認証の壁
Playストアを起動してGoogleアカウントでログインしようとしたところ、二段階認証プロセスから先に進まない。時間を置いても、再起動しても、キャッシュを消してもダメ。サイドロードしたPlay開発者サービスの上で動く認証はもともと不安定らしく、こうなると打つ手が限られる。端末上でアカウントを新規作成する回避策もあるが、我が家ではそこで見切りをつけた。
そもそもFire OS 8では「Playストアは起動しても、そこから入れたアプリは動かないものが多い」という報告が多く、仮にログインできてもしまじろうクラブが動く保証はない。保証外の改造で端末を不安定にした挙句、目的のアプリが動かないのでは意味がない。
なお、入れてしまった4つのAPKは、インストールと逆順(Playストア → Play開発者サービス → サービスフレームワーク → アカウントマネージャー)にアンインストールして再起動すれば元に戻せる。ここは素直に戻した。
ついでに判明した、Fireタブレットの家族まわりの制約
調べる過程で分かったことをまとめておく。日本のFireタブレットは家族共有まわりにかなり制約がある。
まず、プロフィールは「大人1 + 子ども最大4」。米国には大人2人でコンテンツを共有できる「Amazon Household(ファミリーライブラリ)」があるが、日本では実装されていない。つまり夫婦それぞれのAmazonアカウントを1台に入れることはできず、大人プロフィールは端末に登録した1アカウントのみ。配偶者は大人プロフィールを共用するか、端末を分けるかの二択になる。
次に、仮にGoogle Playを入れられたとしても、Playストア経由のアプリは子ども用プロフィールでは使えない。子ども用プロフィールに追加できるのはAmazon Kids+とAmazonアプリストアのアプリだけという仕様のためだ。しまじろうを動かせても、使わせるのは大人プロフィール側という、キッズモデルとしては本末転倒な運用になる。
ちなみに、Prime特典を配偶者と共有する「家族会員」(配送特典などが対象。プライムビデオは対象外)は日本でも使えるが、これは買い物の話であって、タブレットのプロフィールとは無関係だ。
まとめ
Fireタブレット キッズモデルは、Amazon Kids+のコンテンツ(絵本、学習アプリ、動画)で完結するなら悪くない端末だと思う。ただし「Amazonの世界の外」に出ようとした瞬間、何もできない。こどもちゃれんじをやっている家庭にとって、しまじろうクラブが動かないのは致命的だった。
これから子ども用タブレットを選ぶ人へ。使いたいアプリが決まっているなら、まずそのアプリの推奨環境を確認してから端末を選んでほしい。しまじろうクラブ目的なら、Google Play対応の安価なAndroidタブレット(Teclast、Lenovo、Xiaomi Redmi Padあたりの1〜2万円クラス)か、家に余っているiPadが正解だ。
我が家のFireタブレットは、Amazon Kids+専用機として余生を送ることになった。それはそれで子どもは楽しそうなので、まあ、良しとする。