私はWebエンジニアとしてフルリモートで働いており、普段の作業はほとんどターミナル(CLI)で行っています。Alacrittyやtmux、Neovimなどを組み合わせた環境が一番手になじみ、Macの黒い画面とキーボードだけで大抵の作業を完結させています。GUIを否定するわけではありませんが、本質を追求していくと、自然とターミナルでの操作に行き着きました。
そんな私が最近、「息子にいつ、どんなPCを与えるべきか」について真剣に考えました。
夢を息子に託したい、個人的で切実な理由
親の欲目として、息子には将来、プログラミングはもちろん、ロボット工学や宇宙工学のような物理的なモノづくりにも興味を持ってほしいという強い思いがあります。ここには、少し個人的で切実な理由が隠されています。
私はこれまでの人生をWebエンジニアという仕事に捧げてきました。アラフォーになり、ある程度この業界での土台もできました。ここから全く別の業種に挑戦するよりも、成熟したWeb業界で生き残り走り抜くことが、家族を守るためにも最も安定した順当な未来です。プログラミングをしてものを作り上げる日々は、本当に楽しく充実しています。
しかし、Webや広義のソフトウェアエンジニアの世界は、物理空間に対して直接アクションを起こすことには限界があります。もちろん個人的な趣味として、Raspberry Piを使って自宅の照明を自動化したりちょっとしたIoT工作を楽しんだりはしています。
でも、私が憧れているのはもっと大きなスケールです。
高度なコンピュータービジョンで自律的に作物を収穫する農業ロボット、人間の生活を物理的に支えるヒューマノイドロボット、物流倉庫のシステムと連動して無人で走り回る自動搬送車。「高度なコンピューターの頭脳が、現実の巨大なハードウェアを直接動かす世界」です。もし人生があと50年追加されるなら、本格的なロボット工学や、さらに飛躍して宇宙工学にすら手を伸ばしてみたいという思いがあります。
でも、子どもが生まれて気づいたのです。「息子に夢を託すことができる」と。
私が現場で培ってきた技術や哲学、物事を効率化するノウハウなど、学校やAIには到底教えられない生きた経験を、息子には無限に伝えることができます。同じ遺伝子を継ぎ、同じ環境で育つ息子だからこそ、琴線に触れる的確なアドバイスができるはずです。
誤解してほしくないのは、私と同じ道を歩んでほしいわけでも、叶えられなかった夢を無理に押し付けたいわけでもないということです。もし彼が「福祉の道に進みたい」と言えば、全力で応援します。自分で選んだ道であれば、それが何であれ心から尊重します。
親として本当に悲しいのは、ただゲームだけで何も学ばず、目的もなく大学で遊び、興味のない仕事に就いてしまうことです。そうならないために、もし彼がテクノロジーに興味を持ったなら、私ができなかった「物理空間のハック」を彼自身の手で実現してほしい。そのための「種まき」として、最高の環境を整えておきたいのです。
子どもの成長に合わせたPC環境ロードマップ
ステップ1:5〜6歳でWindowsデビュー
まずは、妻が現在使っているWindowsのノートPCをお下がりとして渡す予定です。購入から1年ほど経っているので、息子が5歳になる頃にはちょうど6年落ち。仮に壊されてしまっても笑って許せる時期です。
最初はタイピングゲームやマインクラフトなど、コンピューターに慣れてもらうのが目的です。このタイミングで、妻には新しいMacのエントリーモデルを購入します。
ステップ2:小学校高学年でMac・ターミナルデビュー
論理的な思考が育ち、キーボード操作にも慣れてきた頃に、妻のお下がりのMacを息子に渡します(妻にはまた別の新しいPCを買います)。
高学年になればターミナルのコマンドも少しずつ理解できるようになるはずなので、ここで初めてOSに標準搭載されている本物のCLI環境に触れさせます。
ステップ3:中学生でハイエンドモデルの専用機を
PCを優しく大切に扱えるようになり、自分でやりたいことが明確になってきたら、いよいよ最新のハイエンドモデルを新品でプレゼントします。もちろん「やっぱりWindowsが使いやすい」と言えば本人の意思を尊重します。
将来的にAluminum OSのような新しいOSが台頭していれば、時代に合わせて柔軟に選択していくつもりです。
「環境という種まき」が一番のサポート
私ができるのは、あくまで環境を整えることだけです。
家の中に当たり前のようにPCがあり、親が楽しそうに技術と向き合っている背中を見せること。それが一番のサポートになるのかもしれません。息子がどんな道を選ぶにせよ、PCが彼の世界を広げる強力な相棒になってくれることを、今から楽しみにしています。