エンジニアの皆さん、日々のインフラ監視やメトリクス可視化お疲れ様です。

可視化ツールとして大定番のGrafana。非常に強力で柔軟なツールですが、こんな不満を感じたことはありませんか?

「新しいパネルを追加するたびに、GUIを開いてポチポチ設定するのが面倒……」
「似たようなダッシュボードを量産したいけど、微妙な設定変更を手作業でやるのは辛い……」

実はその悩み、生成AI(GeminiやChatGPTなど)とGrafanaの 「JSON Model」 機能を組み合わせることで、劇的に解消できます。
今回は、GUI操作を極力減らしてAIに指示を出すだけでダッシュボードを構築・修正し、さらに安全に管理するアプローチをご紹介します。

秘密兵器は「JSON Model」

Grafanaのダッシュボードは、内部的にはすべてJSONデータとして管理されています。
ダッシュボードの設定画面(歯車マーク)から「JSON Model」という項目にアクセスすると、現在のダッシュボードを構成するJSONコードを確認できます。

ここが最大のポイントです。このJSONを書き換えれば、そのままダッシュボードの設定に反映されます。

つまり、私たちがJSONの構造を完璧に理解していなくても、「AIに現在のJSONを読み込ませて、希望の形に書き直してもらう」ことができれば、面倒なGUI操作から解放されます。

実践!AIにダッシュボードを作らせる3ステップ

具体的な手順は驚くほどシンプルです。

Step 1: 現在のJSON Modelをコピーする

まずはベースとなるダッシュボードを作成し、設定画面から「JSON Model」を開きます。
そこに表示されているJSONコードをすべてコピーします。

Step 2: AIにプロンプトと一緒に投げる

いつも使っている生成AIを開き、コピーしたJSONと一緒に以下のようなお願いをします。

以下のGrafanaダッシュボードのJSON Modelを修正してください。

【要件】
- 現在のCPU使用率のグラフの横に、メモリ使用率(クエリは `node_memory_Active_bytes` を想定)のパネルを新しく追加して。
- パネルのタイトルは「Memory Usage」にして、グラフの色は青系に設定してほしい。

【現在のJSON】
(ここにコピーしたJSONを貼り付け)

Step 3: 出力されたJSONをGrafanaに貼り付ける

AIが新しいJSONコードを出力してくれます。
それを再度Grafanaの「JSON Model」画面に貼り付け、「Save Changes」をクリックするだけです。

GUIで一切ポチポチすることなく、新しいパネルが追加されたダッシュボードの完成です。

さらに強力なメリット:Git管理による最強の防御

AIを使ってJSONを出力するメリットは、単に「作るのが楽になる」だけではありません。
出力されたJSONを、そのままプロジェクトのGitリポジトリでバージョン管理できます。ここに真の価値があります。

ダッシュボードの設定をJSONファイルとしてGitにコミットしておけば、以下のような恩恵を受けられます。

万が一のデータ消失にも一瞬で対応
インフラチームの誰かが誤ってダッシュボードを削除したり、設定をめちゃくちゃにしてしまったりしたとします。GUIだけで管理していると青ざめる事態ですが、GitにJSONがあれば大丈夫。リポジトリから最新のJSONをコピーして貼り付けるだけで、一瞬で元の状態に復活させられます。

設定変更の履歴が残る
「いつ、誰が、なぜこのパネルを追加したのか」がコミットメッセージとともに残るため、チーム開発での情報共有がとてもスムーズになります。AIへのプロンプト(指示内容)をコミットメッセージに添えておけば、さらにわかりやすくなります。

複雑な設定探しからの解放
メニューの奥深くにある設定を探す手間が省け、「〇〇のパネルを3つ複製して」といった作業もAIなら数秒で完了します。

注意点とコツ

完全新規より「修正」が得意
ゼロから膨大なJSONを作らせるよりも、データソースなどが既に紐づいている「ベースとなる簡単なダッシュボード」のJSONをAIに渡し、それを拡張・修正させる方がより意図通りの結果になります。

バックアップは忘れずに
AIが出力したJSONに構文エラーがあると、Grafana側でうまく読み込めないことがあります。適用する前に古いJSONを手元に残しておくか、Gitの差分確認を挟むと安心です。

GUIポチポチ作業から卒業しよう

GrafanaのJSON ModelとAIの組み合わせ、そしてGitによるコード管理は、ダッシュボード運用の手間と不安を大きく減らしてくれます。
AIにJSONを書かせ、Gitで安全に守る運用を一度試してみてください。きっと元の手作業には戻れなくなるはずです。