「電動ミルって、本当に必要だろうか?」

ふとした瞬間にそう思いました。
料理の仕上げにスパイスを振る。その数秒の動作のために、わざわざ電池を使い、複雑な機械をメンテナンスし、キッチンの貴重なスペースを割く。もちろん、一度に大量の調理を行う業者の方であれば話は別ですが、家庭で使う分には「手でひねれば十分ではないか」という結論に至りました。

「一時の簡単さ」と「持続的な管理」

世の中には「便利」と謳われる道具があふれています。
ボタン一つで何かが完結する。それは確かに魅力的に見えます。しかし、私たちはその「一時の簡単さ」を得るために、どれほどのものを犠牲にしているでしょうか。

電動の道具には、常に「管理」がつきまといます。電池やバッテリーの残量を気にし、切れれば交換や充電の手間が発生する。電子部品が使われていれば、いつかは故障し、修理や買い替えの検討を迫られます。SDGsの観点からも、手動で完結する動作のためにわざわざ電力を消費し、将来的な廃棄物を増やすことは、本当に賢い選択とは言えません。

「ものを所有することは、同時に管理しなければならないということ」

これが私の持論です。常に管理のことも考えてモノを持つべきであり、何かを手に入れるということは、その瞬間からそのモノのメンテナンスに自分のリソースを割くことを受け入れるという意味でもあります。

スマートホームでの教訓

実は、この考えに至った背景には、スマートホーム化での苦い経験があります。

一時は家中のスイッチや家電をネットワークで繋ぎ、自動化することに情熱を注ぎました。しかし、最近になってシステムがうまく動作しなくなり始めました。結局、少しずつ手動の電気スイッチなどに回帰しています。

最初からスマートホームを導入しなければ、10万円は節約できたと思います。すべては、導入時に 「管理の手間やメンテナンス」 について一切意識しなかったことのしわ寄せです。

一時の簡単さを求めて、管理をおざなりにするのは最悪の選択でした。
管理が追いつかないほど複雑なモノを持つことは、生活の質を上げるどころか、むしろ負担になってしまいます。

「管理が楽なもの」を選ぶという基準

もちろん、すべての自動化を否定するわけではありません。日々の負担を劇的に減らしてくれる道具であれば、多少の管理の手間を引き受けてでも所有する価値はあるでしょう。

大切なのは、その道具がもたらす恩恵が、自分の許容できる 「管理の限界」 を超えていないかを見極めることです。
構造がシンプルで、必要な時に確実に機能し、電池切れも故障も心配しなくていい。そんな「管理が楽な道具」を選ぶことは、結果として心に余裕のある、無駄のない暮らしにつながると信じています。

これからも、一時の簡単さに惑わされず、その裏側にある管理の手間までを含めた「モノとの付き合い方」を大切にしていきたいと思います。