「昔の日本はもっと涼しかった」なんて話をよく耳にします。確かに気象データを調べても、この100年で日本の平均気温は上昇していますし、東京などの都市部に至ってはヒートアイランド現象も相まって3度近く上がっているらしいです。35度を超える猛暑日や熱帯夜なんて、昔は滅多になかったといいます。
だからといって、「都会を離れて田舎に行けば、カラッと涼しくて快適な夏が待っている」と思うのは大間違い だということに、私は先日、身をもって気づかされてしまいました。
一晩明けた千葉の朝に遭遇した「サウナ状態」の正体
気づきのきっかけは、妻の実家がある千葉の田舎の方へ帰省したときのことです。周りは田んぼばかりが広がる、いわゆる大自然に囲まれた環境です。
到着した日は良かったのですが、一晩明けた次の日の朝、外に出てみると、とにかくもの凄くジメジメしています。肌にまとわりつくような、何とも言えないベタベタ感。お昼頃になると気温の上昇とともに自然と湿度は下がっていきましたが、あの朝方の不快感は強烈でした。
東京の朝も大概ジメジメしますが、千葉の田舎のそれはレベルが違いました。「田舎に行けば涼しい」なんてのは、完全な幻想だったのです。
なぜ、大自然の中の方がベタベタするのか?
その理由は、田んぼや植物という「巨大な天然加湿器」にあります。田んぼには広大な水が張られ、周囲の木々は水分を常に空気中へ放出(蒸散)しています。さらに、気温が下がる朝方は空気の器が小さくなるため、抱えきれなくなった水分によって湿度が跳ね上がります。これが、あのまとわりつくベタベタの正体でした。
避暑地・軽井沢すら逃げ場にはならない
それなら、有名な避暑地である長野の「軽井沢」はどうなのでしょう? 標高1,000mの高原なら、さぞかしカラッとしているのでしょうと思いきや、調べてみるとここにも罠がありました。実は軽井沢は「霧の町」と呼ばれるほどの多湿地帯なのだといいます。
山に囲まれた地形で霧が発生しやすく、湿度だけで見れば東京や千葉の田舎以上に高くなる時間帯もザラにあるらしいです。現地では「別荘を閉め切っておくとすぐにカビが生える」「洗濯物が乾かない」というのが定番の悩みだそうです。気温が低い分、千葉のようなサウナ感ではなく「ひんやり、しっとり」とした体感にはなるものの、湿気が大嫌いな私からすれば、やはり理想郷とは言い難いです。
湿気嫌いの現代人には「23区内」が一番合っている
以前私は、「田舎には二度と帰らない」という記事を書いたことがありますが、今回の件で、自分の体質的にも都内(それも本当の東京と言える23区内)が一番合っているのだと確信しました。
なぜなら、コンクリートとアスファルトに覆われた23区内には、湿気を生み出す土や植物、水辺といった「源」が圧倒的に少ないからです。雨が降っても水はすぐに下水へと吸い込まれていきます。都市部の夏は熱気で暑いですが、田舎のようなサウナ的なジメジメ感に比べれば、まだ対策がしやすいです。
さらに、都内の気密性の高い戸建て住宅であれば、エアコンや除湿機がしっかりと効いてくれます。私は夏場、除湿機をフル活用しています。特に、最も気温が下がって湿度がとてつもなく高くなる「朝4時前後」の時間帯、除湿機の存在は本当に重宝しています。
人には人の、適した環境がある
「自然豊かな田舎=快適」というイメージに惑わされてはいけません。水分をたっぷり含んだ大自然の空気は、湿気やベタベタが苦手な人間にとっては、むしろ過酷な環境になり得るのです。
過去に「田舎には二度と帰らない」と決意した私の直感は、気象の仕組みから考えても正しかったです。これからも私は、アスファルトに守られた23区内の自宅で、除湿機を相棒にしながら、カラッと快適な夏を過ごしていこうと思います。