36歳で、長く勤めた会社から退職を求められました。この連載では、その日から次の仕事が決まるまでを、毎週の進捗として記録していきます。

第1回は、退職を告げられてから退社するまでの6日間の話です。

言われたのが9月24日、退社したのが9月30日。たった6日間の出来事です。今は転職活動中です。

まだ全部が片付いたわけではないけれど、この6日間のことは記録しておこうと思います。同じような状況になった人の参考に、少しでもなれば。

突然届いた「お知らせ」

9月24日、会社から一通のお知らせが届きました。業績の悪化が続いているので、希望退職を募集します、という内容です。

正直なところ、会社の経営が厳しいことは前から分かっていました。いつかこういう日が来るだろうとも思っていた。だから最初に読んだときは「お、いよいよきたか」くらいの感覚でした。

希望退職なので、応募するかどうかは本人が決めること。私は残るつもりでいました。会社のことが好きだったし、最後までいようと思っていたからです。今の働き方も気に入っていたし、会社にあと数年いられるなら、その間にやりたいこともありました。

15時30分の面談

お知らせと同じ日に、一人ずつ面談がありました。私の番は15時30分。

面談の前は、さすがに緊張しました。何を聞くかをメモにまとめて、「その場では決めない、持ち帰る」とだけ決めて臨みました。

結果は、退職してほしい、という話でした。

しかも給与も下げる、と。

古株で、会社の全体を見てきたつもりでした。ただ、自分の仕事は他の人にもできる、とも思っていた。どの仕事もそうで、だから平等だよな、と。頭ではそう分かっていても、実際に言われると思っていたよりずっと堪えました。好きな会社で、最後までいるつもりだったからこそ、ショックでした。

「思ったより最悪なパターンだな」というのが、そのときの正直な感想です。

翌日には決めた

ショックではあったけれど、決めるのは早かったです。

翌日の25日には、辞める前提でこちらから要望を出しました。給与を下げられて、出てほしいと言われている場所に残っても、いいことはなさそうだと思ったからです。それなら、少しでもいい条件で出るほうに頭を切り替えました。

要望を出すときに意識していたのは、次のようなことです。

  • 言われたその場ではサインしない。必ず持ち帰る
  • 条件は口頭ではなく書面でもらう
  • 言われたことはメモに残す
  • 自分が何を優先したいのかを先に決めておく

一人で考えていると気持ちに引っ張られるので、AIに状況を整理してもらいながら進めました。制度の仕組みや、どこを確認すべきかを洗い出してもらえたのは、かなり助けになりました。

28日には契約をまとめて、最初の話よりはよい形で決着しました。

引き継ぎは1日で終わった

29日に引き継ぎ。これはAIで1日で終わらせました。

長年、自分の仕事をAIで自動化してきたので、新規開発以外の業務はほぼ全自動で回る状態になっていました。だから引き継ぐといっても、その仕組みと手順をまとめて渡すのが中心です。資料もAIでかなり綿密に作ったので、よっぽどのことがない限り困らないはずです。

退職後も問い合わせがあれば対応する予定ですが、出番はあまりないと思っています。

自分がいなくても回るように作ってきたものが、最後にこういう形で役に立つとは思っていませんでした。少し複雑な気持ちもあるけれど、きれいに手を離せたのはよかったです。

そして30日、退社しました。

最後の日に、数人の方とLINEを交換しました。

会社のことが好きでした。連絡先を交換しながら、会社だけでなく、一緒に働いてきた仲間のことも本当に好きだったんだな、と改めて思いました。

何もやる気が起きなかった数日間

決めるのは早かったけれど、気持ちが追いついていたわけではありません。

この数日間は、ずっと落ち込んでいました。手続きや引き継ぎはこなしていたけれど、それ以外は何もやる気が起きない。普段なら手を動かしている個人開発も、まったく進みませんでした。

好きだった会社です。長い時間を過ごした場所から「いらない」と言われるのは、条件の損得とは別のところに効いてきます。

無理に元気を出そうとはしませんでした。落ち込むときは落ち込む。やるべきことだけやって、あとは休む。それで少しずつ、次のことを考えられるようになりました。

数日たった今

退社してから数日たちました。

不思議なもので、前の会社のことはもうほとんど覚えていません。あれだけ落ち込んだのが嘘のようで、今は次の仕事を探すことで頭がいっぱいです。

求人を探して、気になった会社に応募して、選考を受ける。何社か並行して進めています。正直、なかなかトントン拍子にはいきません。それでも、この先どうなるのか、今は少し楽しみにしている自分がいます。

できれば、これからもITの仕事をしたいと思っています。それが一番の希望です。

そのうえで、一つ決めていることがあります。もしIT関係でまともな仕事が見つからなければ、それはそれで、今の自分にはその分野での需要がなかったということ。そのときは別の仕事をしてもいいと思っています。

エンジニアの仕事は好きだけど、作ること自体は個人開発でも続けられます。仕事は仕事、作るのは作るの、と分けて考えてもいい。そう思えるようになったのは、今回のことがあったからかもしれません。

ハローワークでの手続きなどは、これからです。やることはまだ多いけれど、一つずつ片付けていきます。

振り返って思うこと

あの日から少し時間がたって、今思うのはこんなことです。

  • 会社の状況が悪いと感じていたなら、早めに心の準備をしておくと、いざというときに動きやすい
  • 決めるのは早くていい。ただ、条件はちゃんと要望を出す。黙っていると最初の条件のまま進む
  • 自分の仕事を自動化して、誰がやっても回るようにしておくと、辞めるときにきれいに手を離せる
  • 気持ちは後から追いつく。落ち込む時間があってもいい
  • 仕事の選択肢は一つじゃない。行き詰まったら、別の道もある

まさか自分がこういう記事を書くことになるとは思っていませんでした。でも、今は前を向けているし、次がどうなるかを楽しみにできています。

次回からは、転職活動の進み具合を毎週書いていきます。どうなるのか、私自身も楽しみです。